ペナンとKL 行ったり来たり

マレーシアのKLとペナンの2つの拠点で生活中。異なる場所の視点で見たマレーシアの色々を書いています。日本語で書いていますが、一般的な日本人の方にはあまり役立つ情報はないような気がします。

パニック障害の治療とマレーシアについて

先日、パニック障害についてTweetしたら、思いの外たくさんRetweetされたので、今回はパニック障害の治療とマレーシアは相性いいと思うよ」っていう話を書いてみたいと思います。

 

さて、僕の場合、どうしてパニック障害になんかなっちゃったのかを先に書かないといけないと思うのですが、簡単に言ってしまえば過労です。

朝10時に会社に行って、終電で帰宅するのは当たり前。終電じゃ間に合わないからバイク通勤にして午前3時くらいまで働いていました。今思えばアタマおかしいと思う訳ですけど、当時の僕は「自分で始めた会社だし、失敗したら色んな人に迷惑がかかる」と思っていたので、とにかく頑張ってました。

ある時、全く寝ることが出来なくなっていました。疲れているはずなのに家に帰っても全く眠れません。寝れないまま、また会社に行きます。帰ってきても寝られません。

当時の僕は別にそれでも大丈夫だと思っていましたが、家内が「この人何かオカシイわ、病院連れて行かなきゃ」って思って連れて行ってくれたので、自分でもおかしくなっている事にやっと気が付くことが出来ました。奥さんには大変感謝しています。

 

当時の症状

・夜になっても寝られない。寝ても1時間で目が覚める。寝ることが出来なくて最長4日間も起きてました。

・お腹が痛い。精密検査を受けてもどこも悪くないのに腹痛がずっと続く。

・プレゼンとかするのは割りと好きなのに、話をしている最中に言葉が出なくなる。突然話が出来なくなる。 

・突然、めまいがして倒れる(救急搬送されました)

等々

 

で、いろんなことが出来なくなっていきました。

 

出来なくなったこと

・料理が好きだったのに全く料理が作れなくなった。次に何をすればいいのか全く分からない。手順を書いておかないと作れない。書いてあるものを参考に作るのは出来ない。自分で手順を書かないと作れない。

・電車に乗れなくなった。呼吸が出来なくなる(感じがする)ので、ひと駅ごとに降りないと倒れそうになる(実際2回ほど車内で倒れた)ドアの前に立って乗る以外は乗車出来ない。

・クルマやバイクの整備が出来なくなった。これも好きなのに次に何をすればいいか分からないので自分で紙に手順を書く。でも途中で出来なくなる。

 

書き出してみると、なんか老人みたいですね。当時30代後半ですよ。完全におじいちゃんだわw

 

で、病院とカウンセリングに連れて行かれて診察を受けた結果、パニック障害心身症と診断されました。

 

最初は診察を受けた本人が病気だとは思っていないので、セカンド・オピニオン、サード・オピニオンと診察を受けてやっと観念しました。「初期のうつ病」と診断されたりもしました。

 

病気と分かれば治療をするしかないので、治療をするのですが、まず、睡眠がとれるようにする事が最重要項目でした。もちろん眠剤を使います。あとは精神安定剤的な物を投薬しました。

 

僕がラッキーだったのは良い先生に会えた事。

最初の診察の時に「これから治療に入りますが、今日、診察室を出たら最初にして欲しい事があります。それは、ステークホルダー全員に僕は出来ません宣言をしてください。僕は治療中で何も出来ないと伝えてください。実際、何も出来ませんから。その後にお渡しする薬を飲んでください。必要なら診断書を書きますので」と言われました。

これを聞いた時に「あ、僕は病気なんだ。」と納得して安心出来ました。もちろん先生に言われたとおり出来ません宣言をして回りました。

 

パニック障害は脳の病気です。

 

で、仕事しないことになりました。

全くしません。もう廃人ですw

 

でも、ここでいろんな事に気が付きました。

 

当時、僕は会社を経営していたので社長な訳ですが、なんと社長がいなくても会社って回るんです。これはマジビックリしたw

「なーんだ、僕なんかいなくても大丈夫なんじゃん」と思えたのと同時に「僕なんていてもいなくても同じなら頑張らなくていいんじゃん」って素直に思えたんですよね。

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そんな時期に初めてマレーシアのペナンに来ました。

何も計画とかしないで、ホテルのプールとかでボケーっとして「水着のお姉さん来ないかなー」とか、砂浜を歩いてパラセーリングのオッサンにぼったくられたりしてました。

すると、あら不思議。あんなに痛かったお腹が全く痛くないんですよ。これは自分でも驚きました。

日本に帰って心療内科の先生に報告すると「それは病理学的にも理にかなっています。パニック障害は脳の病気です。セロトニンの分泌を促進するには日光にあたるのが有効とされていますので」と説明されました。

 

これで、僕は「ペナンに住んだら病気が治るね」と思うようになりました。実際治ったしw

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僕がやった治療

・投薬は医師と相談してきちんと行う。辛い時はしっかり薬をのむ。

・とにかく日光にあたる時間を作る。プールサイドに30分いるだけでもOK。

・美味しいと思う物を食べる。

・寝れると思ったらすぐ寝る。時間とか気にしない。昼寝OK、夜更かししてもいいから寝れると思った時にすぐに寝る。

 

これだけ

 

おかげさまで今では全く問題なく、好きな料理も出来るようになりましたし、クルマもバイクもいじれます。電車もちゃんと乗れるようになりました。

一番辛かったのは減薬だったように思います。薬の量を減らしていくのですが、体がしびれたり、呼吸が苦しくなったりしました。医師の指示に従って辛かったら飲むようにして少しずつ薬を減らしていきました。

 

もし、今、働きすぎていたりしたら働くのを一旦やめたほうがいいですよ。働きすぎると良い事ないし、最悪自殺しちゃったりしますよ。むしろ自殺する方が周りの人にとって迷惑です。

 

「あー、もう無理だー!」って思ったら、一旦立ち止まって、休みましょう。もし、家族の中にそういう人がいたら遠慮なく止めましょう。最悪、生活保護でも十分生きていけますので。死んだらそこで終わりです。

 

これは僕のケースなので、誰にでも効果があるとは思いませんが、日光にあたってボケーっとしてよく寝るのは治療には最適で、これがペナンだとすごくやりやすかったですよってお話でした。タイでもインドネシアでもいいですけど、ペナンは何食べても美味しいのでw

パニック障害に罹患してる方はペナンに来てボケボケしてみたらいかがですか?短期で借りられるコンドミニアムもありますよ。

 

今回はパニック障害の治療について書かせて頂きました。

長文乱筆にお付き合い頂きましてありがとうございました。